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海外から発送された医薬品等は、日本へ到着した後に税関の確認を受けます。品物の内容、価格、輸入目的、数量、必要な許可・確認の有無などを確認するため、配送が一時的に止まったり、輸入者本人へ書類の提出や説明を求められたりする場合があります。
ただし、追跡画面で通関中と表示されたことや、税関から連絡があったことだけで、直ちに違法と確定したわけではありません。一方、注文できたこと、発送されたこと、過去に受け取れたことも、今回の輸入が認められることを保証しません。
この記事では、個人輸入を勧めるのではなく、税関・通関の一般的な流れと、連絡を受けた場合の確認事項を整理します。利用前の確認事項は「薬の個人輸入で注意すること」、数量や禁止行為は「薬の個人輸入で知っておきたいルール」、制度全体は「薬の個人輸入ガイド」をご確認ください。
税関と通関とは
税関は、輸出入される品物について、関税法その他の法令に基づく確認、関税等の徴収、輸入が禁止・規制される物品の取締りなどを行う行政機関です。
通関とは、輸入する品物について必要な申告や書類提出を行い、税関の審査・検査、必要な税金の納付などを経て、輸入の許可を受ける一連の手続きを指します。
医薬品等では、関税法上の手続きに加えて、医薬品医療機器等法その他の法令に基づく確認が必要になる場合があります。税関だけで判断が完結せず、地方厚生局などの確認を求められることもあります。
海外発送から受け取りまでの一般的な流れ
個人輸入した荷物が日本へ到着してから受け取りまでの一般的な流れは、次のとおりです。
1.海外から荷物が発送される
海外の事業者などが、国際郵便、国際宅配便または一般貨物として荷物を発送します。サイト運営者、契約相手、発送者が同じとは限りません。
2.日本へ到着する
荷物が国際郵便局、空港、港などへ到着します。追跡画面には、到着、通関手続中、税関での確認中など、配送事業者ごとの状況が表示される場合があります。
3.申告内容と荷物が確認される
税関では、申告された品名、数量、価格、輸入目的などが確認されます。必要に応じて、書類の確認や荷物の検査が行われます。
4.他法令の手続きが確認される
医薬品等について、輸入確認証、許可、承認その他の手続きが必要か確認されます。品目、数量、目的などによっては、地方厚生局への申請や追加書類が必要です。
5.必要に応じて輸入者へ照会される
品物の内容や価格が分からない場合、必要な手続きの有無を確認できない場合などは、税関、郵便事業者、国際宅配事業者または通関業者から輸入者へ連絡が行われることがあります。
6.税金や手数料が確定する
関税、消費税、地方消費税などが課される場合は、税額や納付方法が案内されます。配送方法によっては、通関料や代行手数料が別途必要になることがあります。
7.輸入許可後に国内配送へ進む
必要な確認と税金の納付などが完了し、輸入が許可されると、荷物は国内配送へ進みます。条件を満たさない場合は、輸入できず、返送、廃棄その他の対応が必要になる可能性があります。
配送方法によって通関手続きが異なる
税関は、個人輸入の通関手続きを、国際郵便、国際宅配便、一般貨物に分けて案内しています。
| 配送方法 | 通関手続きの一般的な特徴 |
|---|---|
| 国際郵便 | 課税価格や確認内容によって、直接配達、課税通知、税関手続のお知らせ、輸入申告などに分かれる |
| 国際宅配便 | 通常は国際宅配事業者などの通関業者が手続きを代行する |
| 一般貨物 | 受取人が必要書類をそろえて申告するか、通関業者へ依頼する |
配送事業者が通関手続きを代行する場合でも、輸入者本人に確認や書類提出を求められることがあります。「代行業者に任せているので何も対応しなくてよい」とは限りません。
個人輸入代行サイトと通関業者も別の役割です。関係者の違いは「薬の個人輸入の仕組み」で解説しています。
国際郵便の通関
国際郵便では、課税価格が20万円以下か、それを超えるかによって手続きが異なります。
課税価格が20万円以下の場合
税金がかからず、輸入に必要な確認にも問題がない場合は、日本郵便から直接配達されます。
税金が課される場合は、「国際郵便物課税通知書」が発行され、税額などに応じた方法で納付して受け取ります。日本郵便の取扱手数料が必要になる場合もあります。
品物の内容、価格、必要な許可・確認などが不明な場合は、「外国から到着した郵便物の税関手続のお知らせ」というはがきが届くことがあります。
課税価格が20万円を超える場合
原則として輸入申告が必要です。日本郵便などの通関業者へ手続きを依頼するか、輸入者本人が税関へ輸入申告を行います。税金の納付が必要な場合は、審査・検査後に案内された税額を納付し、輸入許可後に配達されます。
課税価格は、サイトに表示された支払額と必ず同じとは限りません。品物の価格、運賃、保険料などの扱いや具体的な計算については、税関へ確認してください。
国際宅配便の通関
国際宅配便では、通常、配送事業者などの通関業者が輸入申告等の手続きを代行します。
ただし、次のような場合は輸入者へ連絡が行われることがあります。
- 品物の内容や価格を確認できない
- 輸入目的を確認する必要がある
- 輸入確認証などの書類が必要
- 申告内容と荷物の内容に確認事項がある
- 税金や通関手数料の支払いが必要
通関代行に関する手数料がかかる場合があります。送料に含まれるのか、別途必要なのかは、配送事業者へ確認してください。
一般貨物の通関
一般貨物として日本へ到着した場合は、航空会社や船会社から受取人へ到着の通知が行われます。受取人は、仕入書、運賃明細書などの必要書類をそろえ、通関業者へ依頼するか、自分で税関へ輸入申告を行います。
通関業者へ依頼する場合は、通関手数料や国内運送料などが必要になることがあります。貨物の保管料が発生する可能性もあるため、到着通知を放置せず、必要な手続きと費用を確認してください。
税関で確認される主な理由
荷物の通関に時間がかかったり、輸入者へ連絡が行われたりする主な理由には、次のようなものがあります。
- 品物の内容が不明確
- 申告された品名と荷物の内容を照合する必要がある
- 価格や支払い内容を確認できない
- 数量や輸入目的を確認する必要がある
- 医薬品等に該当するか確認する必要がある
- 輸入確認証、許可、承認などの要否を確認する必要がある
- 禁止・規制対象に該当しないか確認する必要がある
- 知的財産を侵害する物品の疑いがある
- 関税等の課税に必要な情報が不足している
税関で確認を受けること自体は、直ちに違法、偽造品または没収と判断されたことを意味しません。確認の結果、問題がなければ通関手続きが進みます。
「外国から到着した郵便物の税関手続のお知らせ」が届いた場合
国際郵便では、税関から「外国から到着した郵便物の税関手続のお知らせ」というはがきが届くことがあります。
はがきが届く主な場面は、品物の内容・価格などが不明確な場合、他法令による許可・承認等の確認が必要な場合などです。
はがきを受け取ったら、次の順序で確認してください。
- はがきに記載された税関外郵出張所と連絡先を確認する
- 税関公式サイトに掲載された官署情報と一致するか確認する
- 求められている説明や書類を確認する
- 不明点があれば、提出前に担当税関へ問い合わせる
- 指定された方法で、はがきと必要書類を提出する
- 追加の案内があれば、内容を確認して対応する
連絡を放置すると、荷物が差出国へ返送される場合があります。対応期限が分からない場合は、税関と日本郵便の双方へ確認してください。
求められる可能性がある書類
必要書類は、配送方法、品物、数量、価格、輸入目的、確認内容などによって異なります。一般的には、次のような資料の提出を求められることがあります。
- 注文内容を確認できる書類
- 仕入書または請求書
- 支払い金額を確認できる記録
- 品物の内容を確認できる資料
- 数量と輸入目的を説明する資料
- 運賃や保険料を確認できる資料
- 輸入確認証
- 医師による処方箋や指示など、必要性を確認する書類
- 税関や地方厚生局が指定するその他の書類
すべての書類が毎回必要になるわけではありません。はがき、案内文書、通関業者からの連絡に記載された内容を確認し、不明点は担当窓口へ問い合わせてください。
事実と異なる品名、価格、数量または輸入目的を申告したり、書類を改変したりしてはいけません。
輸入確認証が必要になる場合
一般の個人が自己使用のために医薬品等を輸入する場合、原則として地方厚生局に必要書類を提出し、営業目的の輸入ではないことの確認を受ける必要があります。ただし、一定の数量範囲内では、特例として、輸入確認証を取得せずに税関の確認を受けて輸入できる場合があります。
品目や数量によっては輸入確認証が必要です。また、数量にかかわらず確認が必要な品目や、一般の個人による輸入が認められない品目もあります。
輸入確認証が必要な場合は、貨物が通関する税関を管轄する地方厚生局へ申請します。「医薬品等輸入確認情報システム」からオンラインで申請できる場合もあります。
数量の範囲、禁止・規制対象、「薬監証明」と現在の輸入確認証の関係は「薬の個人輸入で知っておきたいルール」をご確認ください。
輸入確認証は品質や安全性の証明ではない
輸入確認証は、輸入が販売等を目的とするものではないことなどを確認するための手続きに使用されます。医薬品等の品質、有効性、安全性、真贋または使用の適否を証明するものではありません。
同様に、税関で輸入が許可され、荷物が届いたことも、日本国内の法令に基づいて品質等が確認されたことを意味しません。
通関に関する次の事実は、医療上・品質上の保証と分けて考えてください。
| 通関上の事実 | それだけでは確認できないこと |
|---|---|
| 荷物が発送された | 日本へ輸入できるか |
| 税関で確認中になった | 違法または没収と確定したか |
| 輸入確認証が交付された | 品質、安全性、真贋、使用の適否 |
| 税金を納付した | 品質、安全性、真贋、使用の適否 |
| 輸入が許可された | 国内承認、品質保証、医療上の適否 |
| 荷物を受け取った | 今後も同じ条件で輸入できるか |
品質や健康被害の問題は「薬の個人輸入にはどんなリスクがある?」をご確認ください。
関税・消費税・手数料がかかる場合がある
個人輸入した荷物には、品物、価格、課税価格、数量などに応じて、関税、消費税、地方消費税が課される場合があります。
また、税金とは別に、次の費用が生じる可能性があります。
- 日本郵便の取扱手数料
- 国際宅配事業者の通関代行手数料
- 通関業者の手数料
- 国内配送料
- 倉庫の保管料
- 返送または廃棄に伴う費用
注文時に送料を支払っていても、税金や通関関連費用がすべて含まれているとは限りません。課税価格や税率の具体的な計算は、注文サイトの説明だけで判断せず、税関や通関業者へ確認してください。
輸入できない場合に起こり得ること
確認の結果、輸入条件を満たさない場合や、禁止・規制対象に該当する場合は、荷物を受け取れないことがあります。
状況により、次のような対応が必要になる可能性があります。
- 追加書類を提出する
- 輸入確認証を申請する
- 不足している説明を行う
- 差出人へ返送する
- 輸入を断念する
- 廃棄その他の案内に対応する
- 知的財産侵害の疑いについて認定手続きに対応する
どの対応を選べるかは、品物、規制内容、配送方法、差出人や事業者の規約などによって異なります。
輸入できなかった場合に、代金、送料、返送料などが返金されるとは限りません。注文前に、税関で輸入できなかった場合の返金・返送条件を確認してください。
税関や配送事業者を装う連絡にも注意する
通関手続きや再配達、税金の支払いを装い、偽のウェブサイトへ誘導する連絡にも注意が必要です。
メールやSMSなどで支払い、個人情報、認証情報の入力を求められた場合は、記載されたURLをすぐに開かず、次の方法で確認してください。
- 税関または配送事業者の公式サイトから問い合わせ先を確認する
- 追跡番号を公式ページへ直接入力する
- 通知に記載された官署や事業者が実在するか確認する
- 注文記録と発送・通関状況を照合する
- 不審な請求は、支払う前に税関や配送事業者へ確認する
確認のために検索する場合も、広告や検索結果だけを信用せず、公式ドメインを確認してください。
通関に備えて保存したい記録
注文後は、次の記録を保存してください。
- 利用したサイトの名称とURL
- 運営者、契約相手、発送者の表示
- 注文内容と注文日時
- 注文確定画面と受付メール
- 支払い金額と決済記録
- 仕入書、請求書、発送書類
- 配送事業者と追跡番号
- 税関、地方厚生局、通関業者との連絡
- 利用時点の配送、返品・返金条件
税関や地方厚生局から確認を求められた場合に、品物、価格、数量、目的などを説明できるよう、注文時点から記録を残しておくことが重要です。
問い合わせ内容によって窓口を分ける
税関・通関に関する相談先は、質問の内容によって異なります。
| 確認したいこと | 主な確認先 |
|---|---|
| 通関手続き、課税、税関からの通知 | 税関 |
| 国際郵便の配達、保管、返送 | 日本郵便 |
| 国際宅配便の通関代行、配送、手数料 | 国際宅配事業者・通関業者 |
| 輸入確認証、医薬品等の輸入手続き | 地方厚生局 |
| 日本での品目区分 | 都道府県の薬務主管課 |
| 健康状態、症状、医薬品等の使用 | 医師・薬剤師・医療機関 |
| 未着、返金などの契約トラブル | 消費生活センター・越境消費者センター |
相談窓口の詳細は「薬の個人輸入で不安があるときの相談先」をご覧ください。自己判断で進める範囲と相談の必要性は「薬の個人輸入における自己責任の範囲」で整理しています。
薬の個人輸入と税関・通関に関するQ&A
Q1.個人輸入した薬は必ず税関で止まりますか?
すべての荷物について輸入者への照会が行われるわけではありません。ただし、海外から届く荷物は税関の確認を受け、内容、価格、数量、輸入目的、必要書類などによっては手続きに時間がかかったり、連絡が行われたりします。
Q2.追跡画面で「通関手続中」のままなら違法ですか?
その表示だけで違法と判断することはできません。税関での確認、書類待ち、課税手続きなど、さまざまな理由が考えられます。配送事業者の公式窓口で状況を確認してください。
Q3.税関からはがきが届いたらどうすればよいですか?
はがきに記載された税関外郵出張所と必要書類を確認します。税関公式サイトの官署情報と照合し、不明点は提出前に担当税関へ問い合わせ、指定された方法で対応してください。
Q4.税関から連絡が来たら没収されますか?
連絡が来たことだけで没収が決まったわけではありません。内容、価格、輸入目的、必要な許可・確認などを確認した後に、通関できるかが判断されます。
Q5.輸入確認証は必ず必要ですか?
すべての場合に必要とは限りません。品目、数量、目的などによって、輸入確認証が必要な場合と、一定の範囲内で取得せずに税関の確認を受けられる場合があります。個別の判断は地方厚生局へ確認してください。
Q6.輸入確認証があれば品質や安全性も保証されますか?
保証されません。輸入確認証は輸入手続きに関する確認であり、医薬品等の品質、有効性、安全性、真贋または使用の適否を証明するものではありません。
Q7.税関を通過した医薬品等なら使用しても問題ありませんか?
通関したことだけで、使用の適否を判断することはできません。健康状態、治療、医薬品等の使用については、自己判断だけで進めず、医師または薬剤師へ相談してください。
Q8.個人輸入には関税や消費税がかかりますか?
品物、価格、課税価格、数量などにより、関税、消費税、地方消費税が課される場合があります。配送方法によっては、通関料や代行手数料も必要です。具体的な税額は税関へ確認してください。
Q9.必要書類を出さないとどうなりますか?
確認が完了せず、輸入許可を受けられない可能性があります。国際郵便では、一定期間対応しないと差出国へ返送される場合もあります。通知を放置せず、担当税関や配送事業者へ確認してください。
Q10.輸入できなかった場合、代金は返金されますか?
返金されるとは限りません。返金、返送、廃棄、再発送、送料などの扱いは、契約相手や個人輸入代行サイトの規約によって異なります。注文前に、通関できなかった場合の条件を確認してください。
まとめ
薬の個人輸入では、海外から発送された荷物が日本へ到着した後、税関で品物の内容、価格、数量、輸入目的、必要な手続きなどの確認を受けます。配送方法によって通関手続きが異なり、追加書類、輸入確認証、税金や手数料が必要になる場合があります。
税関から連絡を受けたことだけで違法や没収と確定したわけではありませんが、通知を放置せず、公式窓口を確認して事実に基づいて対応する必要があります。
また、輸入確認証の交付、税金の納付、輸入許可または荷物の受け取りは、医薬品等の品質、安全性、真贋または使用の適否を保証するものではありません。医療上の判断は自己判断だけで進めず、医師または薬剤師へ相談してください。
次に「個人輸入代行サイトを利用する前のチェックリスト」を使い、輸入手続き、契約条件、相談先などの確認漏れがないか見直してください。全体へ戻る場合は「薬の個人輸入ガイド」をご覧ください。












